生産者インタビュー｜小串トマト農家 一瀬さん-川棚町

川棚町で小串トマトを生産されている一瀬　薫（イチノセ　カオル）さんにお話を伺いました。

―生産背景―

小串トマトは酸味が強いのが特徴で、糖度もあって、酸味もある、これが小串トマトです。
現在は、５軒の農家で栽培しています。私は２代目ですが、次の後継者世代も揃っており、引き続いた生産体制がとれています。

―産地の特徴―

大村湾に面していて、風光明媚なところです。長崎県内でも日照量が多いのが特徴で、先代がこの地に目をつけトマトを生産し始めたのがきっかけです。昭和３８年に組合を作り、現在に至っています。

―生産するようになったきっかけ―

先代は普通の野菜のトマトを生産しておりましたが、３０年ぐらい前から私たち世代が、おいしさを求めて、水分量を控えた高品質な糖度８度以上プレミアムトマトの栽培を研究してきました。現在も、糖度８度以上を得られるように努力しています。

―こだわり―

小串トマトの生産方法の特徴として、極力水を与えないという栽培方法です。そのため、病害に弱いという弱点がありますが、リスク分散を考え、２〜３種を常に生産し、試行錯誤を繰り返しています。品種選定や温度管理、肥培管理等を30年ぐらい前から研究していますが、常に難しい問題に直面していますが、今後も続けて研究していきたいと思っています。
今、私たちが生産している９０％がハナミ（華美）という品種です。これは味がいいのが特徴です。
もう一種類、カンゲキ（感激）という種類も生産しています。糖度が高く、暖かい時期は美味しいのですが、寒い時期は味が少し落ちます。品種によって一長一短あるため、なかなか納得のいく良い品種が出てこないですが、今後も良い品種を探していこうと思います。
また現在では、ITの力も借りながら栽培条件を調整しています。

―やりがい―

ここ３年ぐらい、特に地産地消を意識し生産販売を行っています。それまでは、７割程度、福岡や北九州の市場へ出荷していましたが、現在は市場の指導・支援もあって、知名度も上がり、新しい販売先などに出会うことができ、長崎・佐世保に７割の出荷を行っています。
組合では、量より質への意識の変換をし、生産を行っています。

―おすすめの食べ方―

小串トマトは丸かじりが一番です。甘めが好きな方は、出荷して１週間したら酸が抜けてくるので、食べ頃です。酸っぱめを好きな方は、購入いただいて、すぐに食べていただくのがおすすめです。
また、トマト好きには、焼きトマトもおすすめです。刺身のように醤油をつけて食べる方もいますし、冬場ですとポトフも美味しいですね。

―今後の夢―

見える化農業と言われていますが、栽培にデジタル技術を使い、温度調整なども数値化することで、経験だけでなくデータにより栽培技術をが習得できるようにして、次の世代へ引き継いでいきたいと思っています。
小串トマトのなかでも、糖度８度以上のプレミアムトマトは生産量全体の１５〜２０％しかないというのが現状です。これを３０〜４０％に増やしていきたいです。
今後も知恵を絞りながら、５軒の農家で協力してやっていきたいです。