生産者インタビュー|伊万里梨生産者 田中さん-伊万里市
こだわり抜いた栽培で育てた梨
伊万里市で、伊万里梨を栽培されている、田中 信浩(たなか のぶひろ)さんにお話を伺いました。
―取扱い品種及び旬について―
多くの品種を栽培しており、収穫の早い品種から、幸水、豊水、あきづき、甘太、新高、王秋、そして最後にあたご梨という順番になります。旬は、ハウス栽培の幸水を7月始めにスタートし、11月いっぱいまでが旬となります。
―産地の特徴また関わっている方の構成―
栽培を行っている西南団地は、梨づくりにとって非常に気候が良いです。現在の植栽面積は約200ヘクタールになります。
JA伊万里管内の部会は、現在140名程度です。平均年齢は62歳くらいで、後継者も非常に少なく、20~30代もおりますが、高齢化が進んでいるのが現状です。
―こだわり―
とにかく梨は嗜好品です。肉や魚を買うお金で梨を買ってもらうのだから、まず美味しいものをつくることを心掛けています。いかに美味しいものを作るかということ、また食べていただける方々に安心・安全を感じてもらえるかを考え、徹底して、減農薬でやっています。
化学肥料も10年間一切使っておらず、農薬散布も通常栽培の30〜40%減らしています。何よりも消費者の方に喜んでもらいたい一心で栽培を行っております。
食品というのは、薬効というのがあります。梨にも当然あり、一番有名なのがカリウムです。カリウムは血圧を下げる作用がありますが、このような薬効を高めるような栽培にこだわっております。
―自慢―
美味しさ、減農薬にこだわった栽培です。全国には、千葉、長野、福島、鳥取など梨生産地が多いなかで、いかに独自性を出すかが大事だと考え、どうしたら美味しくなるかを追求した梨を栽培しています。
海藻の肥料が美味しい梨づくりには欠かせません。特に昆布のグルタミン酸といった肥料などを使用し、目には見えませんが、そういう努力をして栽培しているのが自慢です。
―オススメの食べ方―
皆さん、果物を買ったら冷蔵庫に入れるのが普通になっているかもしれませんが、冷蔵庫に入れると、非常に乾燥します。俗にいう「冷蔵焼け」です。
果物は基本的には常温で追熟しますので、食べたいなという時、1時間半か2時間前に冷蔵庫に入れて頂いて、全部剥くのではなくて、食べる分だけ剥いて、スイカみたいにカットしてもらい、食べる。そして食べ終わったら、ラップしてまた戻すという。そんな食べ方をしていただくのが一番美味しくいただけると思います。
もう一点、大事なのは、果物専用ナイフを使うということです。肉や魚に使っている包丁を梨に使ってしまいますと、嫌な匂いや味が移ってしまいます。専用ナイフが無いときは、軽く研いで、綺麗にしてから梨に使って欲しいです。
包丁から、肉や魚の嫌な匂いを梨につけないようにということまでも考えて梨を味わって食べていただければと思います。
―梨に対する思い・これからの夢―
果物だけでなく、農産物全体、そして伊万里梨には「力(ちから)」があります。特に、人を健康にする力があり、滋養強壮剤になります。伊万里梨を食べて、お客さんから「健康になったよ」って、言われるととても嬉しいです。
今後も体調を壊した方、病気の方が伊万里梨を食べたら、本当に健康になったと言われるように、しっかり考えて行う栽培をしようと思います。